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将来の医療と介護の行方

将来の医療と介護の行方

 団塊の世代が75歳以上になる2025年にあと10年を切ってきました。10年後、20年後、30年後の医療と介護はどうなっていくのかと考えると明るい気持ちになれません。社会保障費の増大をいかに少なく抑えながら、昭和36年に創設された国民皆保険制度を守っていくのかが一番の重要課題だと思われます。保険証一枚で全国どこの医療機関でも一定水準の医療が受けられる日本の医療制度はWHO(世界保健機関)をはじめ世界中から賞賛されているわけですから、これは何としても守っていかなければならない制度なのです。

 少子高齢化と財源問題がよく話題になります。総務省統計局の人口の推移と将来人口の資料を見ると、現在約1億2660万人の人口が2025年には1億2070万人、2035年には1億1210万人、2045年には1億220万人と減っていく予定です。65歳以上の人口は現在3395万人、2025年には3657万人、2035年には3741万人、2045年には3856万人と漸増し、15歳未満の人口は1583万人、1324万人、1129万人、1012万人と漸減していきます。

 すなわち少子高齢化のうち高齢化は日々の医療の進歩もあり成し遂げられていくものであり喜ぶべきことですが、少子化のほうをどうにかしないといけないことは目に見えて明らかです。仕事のあり方や家族のあり方、職場環境や福祉のあり方など、若い世代が将来に希望と安心感をもって家庭を築けるような社会の仕組みを、ハード、ソフト両面から、医療の進歩以上に発展させないと、日本という国の未来が開けてきません。高齢化により現在でも日本の1所帯あたりの人数は2.32人で、今後とも漸減していくと予想されています。

 病院から在宅へ、その合間を埋めるのにサービス付き高齢者向け住宅、有料老人ホーム、特別養護老人ホーム等の住まいに関する制度がありますが、それぞれピンからキリまであり、私のように診療所のみでデイケア等もしていないところではその仕組みがよくわかりません。患者さんたちから聞かれても分からないし、患者さんに適切に指導することもできないのが現状です。今後、認知症も増加しその家族も疲弊してくるだろう現状を、どのようにしていったらよいのかよくわからないのが本当のところです。医療、介護、在宅を含めて地域包括ケアシステムを構築していくという方針が打ち出されていますが、具体的なイメージがまだわいてきません。

 現在でも一般家庭で親と同居しているところでも、ひとたび病気になって身体介護、また認知症になって家庭内でトラブル続発といったことが結構顕在化してきています。夫婦共働きのところで介護のためにどちらかが退職して介護に携わっても、時間とともに介護する側も疲労困憊し、施設を利用せざるを得なくなってきます。しかし要介護3以上の人しか入れない特別介護老人ホーム以外は、経済的負担などから利用するのがなかなか難しい状況です。特別養護老人ホーム以外の施設がある程度の水準を維持して標準的なサービスを受けられるように、極端に営利主義的なところが自然淘汰されて、ある程度経済的にも利用しやすい制度に変化していかなくては、社会で支えるといってもそんなに上手くいくものではないと考えます。

 消費税は2017年には10%に上がるのは決まっていますが、そのあとも上昇するものと思われます。消費税が8%に上がったときは社会保障費に大部分を当てるといっていたにもかかわらず、年金は目減り、健康保険、介護保険などの徴収率は上昇し、医療費の窓口負担が所得により高齢者も10%から20%に上昇する人がでてきています。誰も恩恵を感じている人はいません。消費税増税が診療報酬と不十分きわまりない内容でリンクされていること自体許せない限りです。今後も消費税が上がっていくならば、税は診療報酬とリンクさせるべきものではないと考えます。医は仁術だとかいっていても医療機関がつぶれては元も子もなくなってしまいます。在宅へ在宅へと経済誘導しながら、あとで梯子を外すというやり方はやめてほしいものです。医療制度で総合的にみて一番優れているのは日本です。アメリカではありませんし欧州諸国でもありません。財源は当然必要なものです。

 10年後の2025年には認知症の人は約700万人になると厚労省は本年の年頭に推定値を明らかにしています。65歳以上の高齢者の5人に1人の割合です。将来、老々介護、老人独居世帯などが増大してくると、本当に地域包括ケアシステムでうまくいくのか不安でなりません。将来の人口構成の予測からいって一番キーポイントになるのは少子化の問題です。少子高齢化が続けばいびつな人口構成になってしまいます。そのためにも国は少子高齢化対策をいろいろな面から考えて最重要事項に挙げ、もっと検討し対策を打ち出してほしいものです。そうしないと30年後、50年後の日本はどうなるのか暗澹たる気持ちになってしまいます。

2015-09-28 19:10:48

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